小児皮膚科・皮膚外科

乳児湿疹

  • 乳児期に見られる湿疹の総称です。
  • 乳児で湿疹型の反応をきたす疾患はアトピー性皮膚炎、乳児脂漏性皮膚炎、接触皮膚炎、体部白癬など多岐にわたり、それぞれ原因治療も異なるため、しっかりとした診断が必要となります。
  • 特に、アトピー性皮膚炎については、早期からスキンケアや外用療法を行ったほうが、予防ができたり、経過が良好になることが示唆されているため、鑑別が重要です。

 

乳児脂漏性皮膚炎

  • 皮脂が過剰に分泌されることで起こる皮膚炎でです
  • 頭皮やおでこなど皮脂腺の多いとこにできやすく、赤みや黄色いかさぶたやフケを認めます。耳、鼻、胸、股やわきの下などに生じることもあります。
  • スキンケアは低刺激性の石けんできちんと洗うことが大切です
  • 治療は、マラセチアが悪化因子の場合は抗真菌薬外用を行い、炎症が強い場合は、短期的にステロイド外用薬を使用することがあります。

 

オムツ皮膚炎

  • オムツに覆われた部分は、便や尿、汗で汚れ、高温多湿の環境で、皮膚のバリア機能が低下した状態です。
  • 接触皮膚炎(かぶれ)、汗疹(あせも)、カンジダ性間擦疹などが生じやすく、それぞれが合併することもしばしばあります
  • カンジダ性間擦疹は、紅斑、丘疹、膿疱の症状を認め、治療前に顕微鏡検査でカンジダの有無を確認します。

 

かぶれ(接触皮膚炎)

  • 外的な影響で起こる皮膚炎で、刺激による一次刺激性とアレルギー性があります。
  • 一次刺激性接触皮膚炎:アレルギーは関係なく、誰でも起こりえます。洗剤や石けん、オイルなど刺激の強い物質で起こります。
  • アレルギー性接触皮膚炎:ある物質を「異物」と体が認識して(感作)、それを排除するために、過剰に反応した結果、皮膚炎が生じます。一度感作が成立すると、接触により何度も皮膚炎を繰り返します。そのため、原因の検索が非常に重要です。

 

あせも(汗疹)

  • 大量の汗をかいたときに、汗が皮膚の中にたまってしまうことで、白~赤のプツプツやかゆみが生じる皮膚疾患です。
  • 水晶様汗疹(白いあせも)は、正しいスキンケアと適度な保湿で2~3日程度で改善します。
  • 紅色汗疹(赤いあせも)は、炎症を起こしている状態のため、スキンケアに加え、かゆみ止めの塗り薬や局所の副作用の少ないステロイド外用薬を使用することがあります。

 

虫さされ(虫刺症)

  • 虫刺されによる刺激や毛虫などの有毒物質による急性反応、またはアレルギー反応で、痛みやかゆみを伴う皮膚のブツブツや赤みが生じ、症状が強い場合は浮腫や水疱がみられます。
  • 基本的な治療は、ステロイド外用で、短期間の使用で、早めに治したほうが炎症後の色素沈着が残りにくくなります。二次感染を起こしている場合は、抗菌薬の内服を行います。
  • マダニに咬まれた場合は、虫体を無理に除去すると口器が皮膚に残存して異物肉芽腫となるので、虫体ごと皮膚を切除いたします。

水イボ(伝染性軟属腫)

  • 接触によるうつる軟属腫ウイルスによる感染症で、主にプールで感染が広がりやすいです。
  • 経過観察で半年~3年程度で自然治癒する場合もありますが、その間に感染の拡大や二次感染を起こすリスクもあります。
  • 当院では、できるだけ早期に摘除することを基本としています。痛みの軽減のために、痛み止めテープの使用やお子様の好きな動画の視聴など工夫を行い、なるべく苦痛が少ない治療をするよう努めています。

 

とびひ(伝染性膿痂疹)

  • 水疱性膿痂疹:ブドウ球菌が原因で、水疱、びらんを形成します。夏に多く、掻きこわしで発症しやすいです。
  • 痂皮性膿痂疹:溶連菌が原因で、膿疱や厚い痂皮(かさぶた)を形成します。アトピー性皮膚炎に合併しやすく、リンパ節の腫れや咽頭痛などの全身症状を呈することがあります。
  • 治療は抗菌薬の外用と内服を行います。湿疹などを併発している場合は、その治療も同時に行います。

 

あざ

  • 太田母斑(青あざ):主に片側の額、目の周りの青色斑で、生後すぐに出現する早発型と思春期頃に出現する遅発型があります。
  • 異所性蒙古斑(青あざ):仙骨部以外の場所に生じた蒙古斑で、自然消退しくいのが特徴です。
  • 扁平母斑(茶あざ):出生時より存在する大きさは大小様々で不正形の茶褐色斑です。まれに思春期になって発症するここともあります。
  • 治療は、Qスイッチルビーレーザーによる治療が保険適応です。当院では、少ない治療回数で効果的な早期の治療をおすすめしております。

 

外用療法について

  • 主に、ステロイド外用薬、非ステロイド系消炎外用薬、タクロリムス軟膏、外用抗菌薬、保湿剤などを用います。
  • ステロイド外用薬:皮膚の炎症を充分に鎮静することができ、その有効性と安全性が科学的に立証されている薬剤です。症状や部位、年齢に応じて強さを調節します。
  • 非ステロイド系消炎外用薬:炎症を抑える力は極めて弱く、接触皮膚炎(かぶれ)を生じることがまれではなく、使う場面は多くありません。
  • タクロリムス軟膏(プロトピック軟膏):顔の皮疹に対してステロイド外用薬のミディアムクラス以上の有用性があります。塗り始めて数日間、ほとんどの方が刺激感を訴えますが、症状が軽快すると共に刺激感も消えていきます。
  • 外用抗菌薬:細菌感染症に対して用います。耐性菌の発現を防ぐため、使用は最小限の期間に留めます。
  • 保湿剤:ヘパリン類似物質、尿素軟膏、ワセリンなどがあり、軟膏タイプやローションタイプなど剤型も様々あります。皮膚を保湿することは、日々のスキンケアにおいて非常に大切です。

 

内服療法について

  • 抗アレルギー薬、内服抗菌薬、漢方薬などを主に用います。
  • 抗アレルギー薬:抗ヒスタミン作用のある内服薬です。じんま疹や花粉症、皮膚のかゆみを抑えます。当院では、眠気の少ない第2世代の薬剤を主に用います。
  • 内服抗菌薬:細菌感染症に対して用います。耐性菌の発現を防ぐため、使用は最小限の期間に留めます。
  • 漢方薬:証に合った漢方薬を補助療法、体質改善目的に用います。かゆみや乾燥はもちろんのこと、夜なきや虚弱体質に効果的な漢方薬もあります。

 

予防について

  • スキンケア:肌の状態に応じて、正しい洗浄や保湿を行う必要があります。当院では、肌の状態を確認し、医師または看護師が丁寧にスキンケアについて指導いたします。
  • 食事:甘い物(白砂糖)は、体を冷やす作用があり、血の巡りが悪い瘀血(おけつ)という状態を生じさせます。瘀血の状態が続くと皮膚のトラブルが多くなります。スナック菓子や清涼飲料水は控えめにしましょう。食物アレルギーの約90%10歳以下で発症し、鶏卵、牛乳、小麦が多く全体の食物の約7割を占めます。ただ、36歳で約6割は耐性を獲得するという報告があります。
  • 生活習慣:適度な運動と規則正しい睡眠が大切です。3歳時の生活習慣はその後も継続するといわれており、幼少期から適切な習慣を身につけることが必要です。

皮膚外科

安心の日帰り手術・低侵襲手術

粉瘤・ホクロ・皮膚腫瘍

当院の皮膚外科

当院では、患者様の身体に負担がかからず、傷痕が小さな低侵襲手術を日帰りで行っております

メスによる切除術はすべて保険適応のみ取り扱っています。

炭酸ガスレーザーによる治療は自費治療となります。

 

手術の対象疾患

・粉瘤(アテローマ)

・ホクロ(色素性母斑)

・イボ(脂漏性角化症、老人性イボ、軟性線維腫など)

・皮膚線維腫

・汗孔腫

・石灰化上皮腫・毛母腫

・血管拡張性肉芽腫

・ケラトアカントーマ

Bowen病(ボーエン病)

・日光角化症

・基底細胞癌

・その他皮膚腫瘍

 

粉瘤(アテローマ)の手術

当院では、患者様の負担が少なく、傷痕が小さな低侵襲種手術を行っております

その代表的な手術が、粉瘤の「くり抜き法」(へそ抜き法)です。

 

粉瘤は、何らかの理由より皮膚に内向きの袋が形成される病気です。初めは小さな袋ですが、内部に脱落した角質、皮脂が貯留されて、徐々に大きくなっていきます。貯留したものが何らかのきっかけで排出された時は、不快な臭いがすることがあります。そこに細菌の感染が合併すると炎症性粉瘤と呼ばれ、疼痛、熱感を引き起こします。粉瘤の治療は、手術療法しかなく、これまでは紡錘形に切除するのが一般的で、大きく傷痕が残ってしまうことがありました。

 

当院では、できる限り傷痕が目立たないように治療することを心がけており、可能な限り「くり抜き法」を用いた小切開による治療を行っております。

 

|当院の粉瘤治療(くり抜き法)のポイント

ü  すべて保険適応となります。

  粉瘤治療は診察、術前検査、手術、術後診察すべて保険適応になります。

 

ü  傷痕が小さい(3-5mmの傷)

  3-5mmのデルマパンチという皮膚に穴を開ける器具を用いて手術を行いますので、傷は最小限になります。

 

ü  痛みが少ない

 くり抜き法の場合、傷痕が小さくて済みますので、結果的に術中・術後の痛みが少なくなります。

 

ü  手術時間が短い

  くり抜き法の場合は、通常の手術よりも早く終わります。5分~10分程度が目安です。

 

ü  感染・炎症を起こしている粉瘤でも治療可能

 感染性粉瘤はくり抜き法の良い適応となります。即日の手術が可能です。

 

 

手術日

予約枠

12:00

12:30

245

水曜のみ

手術は原則、後日で予約制となります。

※短時間の手術の場合は、通常の診察時間内に可能な場合もあります。


手術の流れ

    診察

医師による診察を受けていただきます。

 

    診断・治療法の決定

腫瘍の場合、視診やダーモスコピーを用いた検査で良性・悪性の診断を行います。悪性が疑われる場合は、腫瘍の一部を切除して病理組織検査をする「皮膚生検」を行うことがあります。最適な手術方法について提案させていただき、手術方法が決定した後、手術日を予約していただきます。

※緊急性がある病変の切開・排膿などの手術は同日中に行っております。

 

③ 術前検査

  手術を受ける前に一般的な術前採血検査を受けていただきます。

 

    手術

当日は、予約時間の5分前までに来院ください。食事は制限ありません。

手術中は、リラックスしていただくための音楽もご用意しています。

 

    術後ケア

術後処置について、スタッフが処置方法を指導いたします。

日常生活について

※下記は基本的に手術当日は禁止です

シャワー

翌日から患部塗らしてOK

飲酒

1~2日後からOK

適度な運動

経過、抜糸後OK(医師と要相談)

入浴・温泉・プール

経過、抜糸後OK(医師と要相談)

    術後診察・抜糸


術後約1週間程度で抜糸を行います。傷を縫わなかった場合も約1週間後に創部の状態を確認させていただきます。

 

    病理結果説明

摘出した腫瘍の病理結果を説明いたします。

術後約3週間程度で、結果が出ます。

 

料金(保険適応)

保険が3割負担の方

非露出部(ひざ上、ひじ上、体幹の部分)

径3cm未満

3,840

径3~6cm未満

9,960

径6cm以上

12,480

露出部(ひざ下、ひじ下、首から上の部分)

径2cm未満

4,980

径2~4cm未満

11,010

径2~4cm未満

13,080

この料金以外に手術時に使用した局所麻酔代、軟膏代等で500600円程度、

病理検査代金が3000円程度かかります。

 

保険が1割負担の方

非露出部(ひざ上、ひじ上、体幹の部分)

径3cm未満

1,280

径3~6cm未満

3,230

径6cm以上

4,160

露出部(ひざ下、ひじ下、首から上の部分)

径2cm未満

1,660

径2~4cm未満

3,670

径2~4cm未満

4,360

この料金以外に手術時に使用した局所麻酔代、軟膏代等で100200円程度、

病理検査代金が1000円程度かかります。

よくある質問

Q 受診後、できものはすぐ取ってもらえる?

A 手術は原則、後日予約制で行っております。緊急性のある感染性粉瘤などの場合は、

  即日手術を行うことがあります。

 

Q 手術は痛い?

A 所麻酔で行うため、手術中の痛みはありません。
局所麻酔を注入する際に少し痛みを伴います。当院では、クーリングしてから施行したり、細い針を用いて注入することにより、可能な限り痛みのない手術を心がけています。

 ご希望の方は術前に麻酔テープを使用することも可能です。

 

Q 手術の後、どれくらいの頻度で通院が必要?

A 術後、510日後の抜糸まで通院の必要はありません。抜糸後は病理結果説明に再度来院していただきます。

 

Q 再発することはある?

A 可能性はゼロではありません。

当院ではできる限り良性腫瘍の場合は、傷痕の小さい手術を目標として手術をさせていただいております。傷が小さければ本来再発のリスクは残念ながら上がると考えられますが、診察時にどの深さまで腫瘍が浸潤しているか注意深く診察し、手術方法を決定し摘出するため、再発のリスクは上がっておりません。万が一再発した場合は早めの受診をお願いしております。

 

Q 手術の跡は残る?

A 傷跡が残らない手術は残念ながらありませんが、当院では最小の傷痕で腫瘍が摘出できるよう心がけております。


当院での工夫・ご提案

ケロイド体質の方;早い段階でリザベン内服、シリコンジェル塗布等の指導を行なっております。

炎症後色素沈着を予防したい方;ビタミンC内服、トラネキサム酸内服等もしております。また術後のテーピング固定を指導しております。